こんにちは。さとるです。
オリンピック・パラリンピックまで近づいてきて、開催されるかどうかという話題も上がってきています。
つい1週間ほど前ですが、
BS-TBSでドラマとして「伴走者」もオンエアされました。
オリンピックも注目ですが、
それ以上に注目していただきたいのが、
パラリンピックです。
そして、その中でも自分が関わりがあって、
小説にもなった視覚障害のマラソンについて今回お話しします。
そしてその小説とは、浅生鴨さんが書かれた、「伴走者」です。
どんな本なのか知りたい人、そして、
伴走を経験してみたい人、
経験したいけど、どんな感じなのかわからない人に向けて、
書きます。
僕自身は経験したことがありますが、
経験してみて初めて気づくことがたくさんありました。
そして経験してよかったです。
パラリンピックを見る目も変わりました。
けして難しいことではないので、
是非経験してください!
目次
作品のご紹介 特に夏・マラソン編について
作者の浅生鴨さんとは?
現在は作家ですが、
2009年ころにNHK職員だった頃に作成されていた、
NHKの広報局のツイッターアカウント、@NHK_PRの中の人、
といったほうがわかりやすいかもしれませんね。
堅いイメージのあるNHKらしからぬ、緩いツイートで、
かなり人気を得ました。
現在のアカウントは@aso_kamo
でゆるくツイートされています。
簡単なあらすじ
今回はブログの記事テーマからも、
夏・マラソン編のみを扱います。
※冬・スキー編はまた毛色の違った話で読みごたえがありますので、
おすすめです。
夏・マラソン編のあらすじです。
トップレベルの元サッカー選手であった内田は、
事故によって視力を失ってしまい、そこから、
視覚障害マラソンを目指すようになる。
その中で出会ったのが元実業団ランナーで正確なペース配分に定評のある淡島だった。
淡島を伴走者として、
練習に励み、オリンピック選考対象となるために、南の暑い気候のフルマラソンに挑むが…。
レースの経過とともに、
過去の回想場面がところどころに挟まれており、
また、視覚障害のランナーがどう見え、
どう感じるのか、というところがかなり詳細に書かれています。
また、伴走者は視覚障害のランナーのために全力を尽くすわけですが、
その尽くし方も実に実際に近い形で描かれているのが、
印象に残りました。
ところで伴走者とはどんな人?
視覚障害の方の目となり、勝利を共に目指す人
レースではいろんな条件があります。
路面が平たんではないかもしれませんし、
カーブもあるかもしれません。
そういった情報をすべて伴走者は目に焼き付け、
視覚障害の方に伝える必要があります。
また、視覚障害の方が勝利を目指すレベルになると、
当然伴走者の走力もかなり高いレベルになります。
「伴走者」の小説にも出てきますが、
視覚障害の全盲クラス(T11といいます)のマラソンの世界記録は、
2時間31分59秒です。
このレベルのランナーのレースの伴走をしようとすると、
2時間20分あたりの走力のランナーが伴走しないと難しいでしょう。
視覚障害の方が走りやすくするためのコーチ
声で道路の状況を教えるだけではなく、
コーチの役割も担います。
呼吸や体の動きなどで視覚障害の選手の体調などもわかります。
励ましたり、時には厳しくいったり、
いわゆるコーチの役割も伴走者は行うのです。
フルマラソンの場合には伴走者は2人つくことが多いですから、
2人のコーチとともに走ることになりますね。
それが、視覚障害マラソンが団体戦ともいえる理由です。
自身の伴走者経験から~これから伴走者やってみたい方へ意識してみるといいこと
ロンドンパラリンピックメダリストの和田伸也さんと練習で一緒に走った
僕自身も伴走者を何度か経験しました。
「伴走者」の表紙を再掲します。
こちらの左手のモデルの方の伴走をしたことがあります。
和田伸也さんという方です。
どんな方かと言いますと…
・マラソンの全盲クラス(T11)の日本記録保持者引用:JBMAウェブサイト(http://jbma.or.jp/runner/wada-shinya/)
とにかく日本トップクラスのブラインドランナーです。
一緒にやったメニューは、
インターバル走と、30km走でしたが、走力的には、
自分とほぼ同じなので、
常に全力を尽くさないと持たない感じでした。
視覚障害の方は伴走される「プロ」
とはいえ、速いペースでの練習だけではなく、
ジョギングなども一緒にやりました。
ジョギングのペースは1km6~7分とゆったり目ですし、
ランニングの経験のある人であれば、
伴走は十分に可能です。
そして、何より、視覚障害ランナーの方は、
伴走者に合わせてくれます。
いろんな方と伴走しているので、
視覚障害の方のほうが慣れていることが多いです。
ですので、初めて伴走者をやりたいという方も不安に思うことは少ないです。
「見えない方」に情報を具体的に伝えることの大切さ
これは自分がはっとした話ではありますが、
階段の段差を伝えるときの話です。
つい、「段差があります」ってつたえがちなんですけれども、
段差があるだと見えていない人にとっては、
上りか下りかわからないんですよね。
だから、不安にさせてしまうと。
見える情報は可能な限り、
すべて伝えるということの大切さを知りましたし、
伴走をされる方にとっては最も重要なことです。
終わりに~伴走者は他人の勝利のために全力を尽くす
「伴走者」を読んで、伴走者になりたいと思った方もいるのではないかと思います。
日本ブラインドマラソン協会が主催となって、
伴走者講習会が定期的に開かれています。
下記のリンクから行くと全国で行われていることがわかります。
この記事でお伝えしたかったことを改めてまとめますと、
3.視覚障害の方と走ることでパラリンピックを身近に感じましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
さとるでした。
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